個人的にも乗り始める前から見慣れていた、街中を走る姿がおなじみの軽バン、スズキ「エブリイ」。なかでも2005年から2015年まで製造されていた5代目「DA64V」は、生産終了から時間が経った今でも熱狂的な人気を誇る特別な一台だと思います。
ひと口に「エブリイ」と言いましても、バンやワゴン、グレードや仕様改良などでとてもバリエーションが豊富です。私の認識もぼんやりとわかっているレベルでしたので、今回はハッキリと認識できるようにまとめてみました。これからエブリイをご購入、検討している方にも参考になると嬉しいです。
エブリイに詰っている「魅力」
エブリイの丸みを帯びた愛嬌のあるフロントマスクと、四角く頼もしいボディの絶妙なバランスは、見ているだけでどこかワクワクしてきます。
エブリイがこれほどまでに愛され続ける理由は、単なる「働く車」の枠に収まらない圧倒的な懐の深さにあると思います。
お仕事の相棒としてはもちろん、近年ではキャンプや車中泊を楽しむアウトドア派、さらには自分好みにカスタムするDIY好きの方々からも「最高のベース車」として指名買いされているそうです。

シンプルだからこそ、乗る人のライフスタイルに合わせて無限に姿を変えてくれる、まさに“永遠の相棒”と呼ぶにふさわしい魅力が詰まっています。そんなエブリイの特徴やそれぞれの違いをみてみましょう。
バンかワゴンか?DA64V(エブリイ)とDA64W(エブリイワゴン)の違いを徹底比較
エブリイを調べ始めると、「DA64V」と「DA64W」という2つの型式に出会います。この最後のアルファベット「V」はバン(商用車)、「W」はワゴン(乗用車)を意味しているのですが、見た目は似ていても中身は驚くほどガラリと変わるのです。
ここでは、維持費から使い勝手まで、それぞれの特徴をじっくり比較していきたいと思います。
維持費と税金のリアルな差
まず気になるのが、お財布への優しさですよね。4ナンバーのバン(DA64V)と、5ナンバーのワゴン(DA64W)では、毎年の自動車税や車検時に支払う重量税に大きな差が生まれます。
| 項目 | バン(DA64V / 4ナンバー) | ワゴン(DA64W / 5ナンバー) |
| 軽自動車税(年額) | 5,000円(自家用)(初度検査年月から13年未満) | 10,800円(初度検査年月から13年未満) |
| 主なメリット | 税金が圧倒的に安い | 初回車検も2年間有効 |
圧倒的にコストパフォーマンスが高いのはやはりバン(DA64V)です。税金をグッと抑えられる分、浮いたお金をカスタム費用や旅の燃料代に回せるのが嬉しいポイントですね。
そして、商用車であるバンも軽自動車の場合はワゴンと同様に「車検は2年ごと」なので、有効期間の面でのデメリットもありません。
乗り心地とシートアレンジの違い
続いて、車内の快適性とシートの作りの違いに注目してみましょう。ワゴン(DA64W)は後ろに人が乗ることを前提にしているため、ふかふかのリアシートと乗用車らしいしなやかな乗り心地が魅力です。
一方でバン(DA64V)は、たくさんの荷物を積むためにリアシートがやや小ぶりでシンプルな作りになっています。一見するとデメリットに思えるかもしれませんが、実はここがDIY派にとって最大の武器になります。
バンはリアシートをバタンと前へ倒すと、床面の一部に傾斜部分のない「完全なフラット(真っ平ら)」に変身するのです。これがお布団を敷いて車中泊をしたり、自作のベッドキットを組んだりする際に、最高に使いやすい空間を作り出してくれます。

どれを選ぶ?DA64Vのグレード構成を全網羅
DA64Vは、お仕事メインのシンプル仕様から、乗用車顔負けの快適仕様まで、本当にバリエーションが豊富です。大きく分けると「実用性重視」「バランス型」「上級・快適志向」の3つのキャラクターに分かれています。それぞれの個性をチェックして、あなたにピッタリのグレードを見つけてみましょう!

実用性重視!PA / PAターボ / PU / GA
最もシンプルで無駄のない、DA64Vのベースとなるグループです。余計な飾りを削ぎ落とした、道具感のある佇まいが逆にカッコいいと、DIYベース車としても隠れた人気を集めています。
「GA」は標準ルーフ仕様で、高さ制限のある駐車場にも入りやすいのが特徴です。主力の「PA」はハイルーフで室内空間が広く、のちに力強い走りの「PAターボ」も追加されました。「PU」は荷物の積み下ろしに便利な専用の仕様となっています。このクラスは手回し窓や集中ドアロックなしの男前な仕様も多いですが、そのぶん車両価格がリーズナブルで、一から自分仕様に作り上げたいカスタム派の情熱を優しく受け止めてくれます。
快適装備が充実♪PC
道具としての使いやすさに、日常の使いやすさをプラスした「ちょうどいい」中間グレードがこの「PC」です。
フロントドアがパワーウィンドウになり、キーレスエントリーも標準装備されるなど、毎日のドライブがグッと快適になります。
外観はシンプルなバンらしさを残しつつ、乗ったときの不便さをなくした絶妙なバランスが光ります。「普段使いもするから、最低限の快適装備は欲しいな」という方にイチオシの、かゆいところに手が届く優等生グレードです。
もはや乗用車!?JOIN(ジョイン) / JOINターボ
バンの積載力と、ワゴンの快適性を奇跡の融合させたのが、最上級グレードの「JOIN」と「JOINターボ」です。エブリイファンの間でも非常に人気の高い、憧れの存在ですね。
このグレード最大の特徴は、リアシートにあります。他のグレードのような簡易的なベンチシートではなく、左右に分割してリクライニングができる、乗用車仕様の厚みのあるシートが採用されているのです。さらにヘッドレストも独立しているため、後ろに座る人も長距離ドライブをゆったり楽しめます。メッキパーツがあしらわれた上質なインテリアや、高速道路も坂道もグイグイ走るパワフルな「JOINターボ」は、まさにワゴンのいいとこ取りをした最強の1台と言えます。
マニア必見♪DA64Vの前期・後期の違いと「1型〜6型」の進化の歴史
約10年という長い期間愛されたDA64Vは、製造された時期によって「1型」から「6型」まで細かく分類されています。大きく分けると前半の「前期型(1〜3型)」と後半の「後期型(4〜6型)」に分かれるのですが、ここを知ることで中古車選びが何倍も面白くなると思います。
ざっくり分かる♪前期(1〜3型)と後期(4〜6型)の見分け方
まずはパッと見で見分けるための、楽しいマニア知識をご紹介します。一番わかりやすいポイントは、フロントシート形状、シートの生地です。
ドアを開けたときのシートの柄や色合いが変更されており、後期型のほうがよりモダンで汚れが目立ちにくい落ち着いたデザインに進化しています。
1型から6型までの進化の歴史と主な改良点
それでは、10年間でエブリイがどのように熟成されていったのか、その進化の歴史を覗いてみましょう。
- 1型(2005年8月~2005年12月):すべてはここから始まりました。新世代のスクエアボディで大ヒットを記録します。
- 2型(2006年1月~2007年6月):早くも細かい見直しが入り、エンジンのマウントなどが改良されて静粛性がアップしました。
・ヘッドライトのレベリング追加機能 ・コインフォルダ廃止 ・後席ステーを隠すレッグカバーを追加 ・全席フロアの縫製を変更 ・荷室ストライカー用カバーを廃止 ・フォグやパワースライドなどの一部スイッチ形状を変更 - 3型(2007年7月~2008年3月):JOINターボに待望の4速ATが採用され、高速巡航がとっても楽になりました。
・ シート表皮をベージュに変更。 - 4型(2008年4月~2010年4月):ここから後期型へ。搭載されているK6A型エンジンに改良が加えられ、燃費性能が向上。スタビライザーやリンクロッドの形状が一新され、ロアアームとの干渉対策が施されています。
・盗難防止強化の一環として、キーレスエントリー&セキュリティアラーム装着車のホーン配線の切断予防として、周辺部の形状を変更 - 5型(2010年5月~2012年4月):エンジンに改良が施され、フリクション低減などによる燃費の向上したのが嬉しいポイントです。
・バン/ワゴン共に燃費を向上。 - 6型(2012年7月~2015年2月):最終型です。安全基準の変化に合わせ、ヘッドレストが大型化されて安全性がさらに高まりました。
・保安基準改正に対応し、新法規対応のため、ヘッドレスト形状の変更。
なんとAT車をベースに、クラッチ操作を自動化した「AGS(オートギヤシフト)」搭載モデル「キャリイ」が登場し、MTのようなダイレクト感と低燃費を両立。エブリイ 6代目 DA17へとフルモデルチェンジに繋がります。
このように、見た目だけでなく中身も時代に合わせてどんどんタフに、賢く進化していったのですね。
いま狙うならどれ?DA64Vの最新中古車事情
ここまでDA64Vの魅力を見てきて、実際にいくらくらいで手に入るのか気になってくる方もいるかと思います。実は、最近のDA64Vの中古車事情が気になりだして、少し調べてみました。
結果として現在の市場は、予算や目的に合わせて非常に選びやすい、熟しきった面白い状況になっていました。
現在の価格帯と流通量の目安
長年売れ続けた大ヒット車ということもあり、日本全国の中古車市場には今でも豊富な在庫が流通しています。
価格帯は非常に幅広く、お仕事で使い込まれた過走行の初期型であれば総額20万円〜30万円前後で見つけることも可能です。
一方で、状態の良い後期型のJOINターボや、すでにリフトアップなどのカスタムが施されたコンプリートカーなどは、総額60万円〜90万円前後のプライスがついていることもあります。予算に合わせてお宝探し感覚で選べるのが、流通量の多いDA64Vならではの楽しさです。
中古車を選ぶときのチェックポイント
お気に入りの一台に出会うために、商用車ベースだからこそ気をつけたい大切なチェックポイントがいくつかあります。
まずは「荷室の傷み具合」です。前オーナーが重い工具などをガンガン載せていた車両は、床面やサイドのパネルに大きな凹みや傷があることがあります。DIYベースにするなら、できるだけ内装が綺麗な個体を選びたいところですね。
また、お仕事で使われていた車は「過度なアイドリング」をされている場合もあるため、走行距離だけでなく、エンジンをかけたときに異音がしないか、エアコンはしっかり冷えるかも必ず確認しましょう。
4WD車を検討されている場合は、下回りにサビが出ていないかのチェックも忘れないでくださいね。
まとめ:ライフスタイルにピッタリなDA64Vを見つけよう
四角くて愛嬌のあるルックスに、お部屋のように広大な荷室、そしてお財布に優しい維持費。5代目エブリイDA64Vは、乗る人次第で100通りもの楽しみ方ができる、本当に素敵なポテンシャルを秘めた車です。

エブリイの購入を検討している方は、ぜひ、ライフスタイルにぴったり寄り添う最高のDA64Vを見つけて、ワクワクするカーライフをスタートさせてください。
すでにエブリイオーナーの方はどのような使い方をしていますか?「ガシガシ荷物を積んでお仕事に使ってます」「ベッドを組んで秘密基地のような車中泊仕様にしています」「お気に入りのカラーに全塗装して街で有名になってます」など、コメント欄にて聞かせてもらえると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

